一章 武装する人類

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 ボクの質問によってさらに元気を漲(みなぎ)らせた大塚は不意にわざとらしく思い出した様子をとると再び叫んだ。 「そういえば、クラスはどうなるのだろうな緋色!?」 「そうだな。それはボクも気になる」 「うむ! 俺も気になってきたぞおお!!」  ああ、そうだ。さっき悟ったばかりじゃないか。周りがこの季節を溌剌(はつらつ)と楽しんでいるというのに、ボクばかり意気消沈というのはいかん。ボクはボクなりにこの季節を楽しむしかないのだ。  ■■■  クラス表は、昇降口前のボードに貼り出される。左から一年、二年、三年という順で学年ずつ順番にだ。ボクのクラスは思いの外早くみつかった。そして―― 「今年も同じクラスだな緋色おお!!」 「……あ、ああ。嬉しいよ」 「今年も大塚緋色のコンビは健在だな!!」  ボクはそんなふざけたコンビを組んだ覚えはないはずだ。  ボクも大塚も、みごと二年連続A組になったのだが、連続賞はボクらだけではなかった。
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