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うーん、なにか騒がしい。
さっきから車の通る音とか、おばさんの喋り声とか、猫の鳴き声とか。
そのなかに女子、それも高校か大学のものと思われる声。
「あ、カメレオン。」
「なんかキモい。」
「そんなこと言わずに、部活なんだからつべこべ言わずに助けるよっ」
「めんどくさいなあ、ミキもよくこんな部活つくったね。」
「だって部活つくりたかっただもん。それよりも早く、拾うよっ。このカメレオン。」
「はいはい。」
そんな会話を聞いた直後、なにやらやわらかいものが僕を包んだ。暖かい。
そんなことを考えたのもつかの間。
まるでエレベーターに乗っているかのような感覚。
吐き気が少しあったがすぐにおさまった。
っておい。
さっきからなに冷静なの?
いや、これさ、会話を聞く限り、
僕、カメレオンだよね?
いや、いや。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
困るよ困る。
考えても見ろよ。
カメレオンだぞ?
カッ メッ レッ オッ ンッ
生態知らねーし。
NG食べ物知らねーし。
寿命知らねーし。
うわー、恥ずかし過ぎて目も開けられない。
・・・・・・あ。
そういえば目も開けてなかった。
おそるおそる目を開ける。
その先には・・・・・・
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