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脇坂は神経質そうな小さい声で訴えた。
「すぐ済むんだ。天音さんに、その、以前の答えを聞こうと思って」
「それもお断りしたはずです。私たちの個人情報については申し上げかねます」
脇坂のほほが痙攣した。乱れた前髪をうるさそうに右手で払った。大量のフケが古びたスーツの肩を汚している。
「あんたの個人情報になんか興味はない。それに私は天音さんから直接聞きたいんだ。どいてくれ」
「席にお戻りください」
脇坂は美雨たちの後ろに立っている天音を、血走った目で舐めるように見た。口元が釣り上がる。荒い息が聞こえた。
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