1章『決断』

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1章『決断』

カリカリとペンが紙の上を走る音が静かな部屋でただ響いていた。 『終わらない』と呟き翔はペンを置いて携帯を触る。 『うわ最悪.....2時かよ.....』 もう4時間も続けてペンを動かしていたのだのだと思い、まだ終わらないレポートに視線を落とした。 『別に今日終わらせる必要もないんだけどなぁ.....』 翔は天井に向かってそう言って紅茶でも飲もうかと部屋を出た。10月15日.....カレンダーが示す日付を横目に翔は紅茶をグラスに注ぐ。 『レポートなんていくらしても変わらないか.....』 ため息をついて紅茶を啜る。 『お前がいたら負けんだよ』 『なんつーか.....お前クラスにいらねぇわ』 『散々言われてまだ来るとかアホだろ』 昨日の昼間の言葉が頭の中でフラッシュバックして思わず手が震え紅茶がテーブルに飛び散った。 『俺は、いらない人間なのか..........消えてしまえればどんなに.....どんなに楽なのか.....やり直せれば.....人生がやり直せれば変われる.....』
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