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「もしもし、パパ?今丁度連絡しようと思ってたの。うん、今ちっちゃい時一緒に遊んでたよーちゃんの家にいるの。え?それって大丈夫なの?・・・そう、よかった~。え?それってつまり・・・本当なのそれ?わかった・・・何とかしてみる・・・うん、それじゃ決まったら連絡するね、うん。それじゃ」
「なんか深刻そうだけど大丈夫か?」
「あのね・・・実はお願いがあるの」
彼女は突如しおらしくそう訪ねてくる
「なんだよ?送ってくとかならいいぞ?最近この辺も物騒だからな」
「あのね・・・さっきパパからの電話でパパとママがそれぞれ別の場所に長期出張に行かなきゃいけなくなったって連絡が入ったの」
「え?それってもう引越しなのか?」
若干焦る、再会してもうサヨナラとか辛すぎるだろ!
「転入手続きとか終わっちゃってるから今更無しとは言えないから私は残るよ、でも家が私だけじゃ借りられないの」
なんでも未成年にはマンションの一室は貸せないとのことだ、出張も早くて半年、長くて卒業までかかるそうだ。なんつーバッドタイミングで出張入るんだよ。
「え?それじゃ住むところどうするんだ?」
「それでお願いしたいの・・・」
今、俺は猛烈に嫌な予感というか壮絶な予感しかしない
「まさか」
「うん、悪いんだけど・・・」
そして彼女は―――――
予想通りの一言を口にした―――――
「同居させてくれないかな?」
俺の平凡で退屈な日常は終わりを告げた―――――
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