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「同居させてくれないかな?」
「ァ・・・・ウ・・・」
予想通りの言葉に絶句する、でも向こうも仕方ない事情があるし何よりこの家には空き部屋がまだいくつもあるからミア一人くらい増えるのはなんら問題はない、だが問題は一緒に同居するってことだ
「迷惑かな?」
「いや、それは別にいいんだ。ミアの両親の都合なんだから今更どうこう言っても仕方ないし」
「じゃあどうしたの?」
「いいか?俺は人間の男、ミアはラミアの女、種族が違っても同じ屋根の下に未成年の男女が一緒に住むことを世間はどう思う?」
「ん~羨ましい?」
「それはごく一部のモテない人間の僻みだ、世間は確実に好奇の目で見るか最悪悪い噂を流してくるだろう」
別に人間と亜人種のカップルや夫婦が珍しいわけではない、流石に条約が締結されて30年余り、色々な条約内容改変等があって他種族同士の結婚なんかは条約締結後1年で許可されてしまったのだから
理由としては女性しかいない種族の子孫繁栄の為ってのが大義名分として成り立っている
今の問題は『未成年の男女が一つ屋根の下で寝食を共にする』ということだ、理由を話せばわかってくれる人はいるだろうけど世間はそこまで甘くはない、『彼女の両親が別の場所へ出張に行ってしまい未成年では部屋を借りれないから一緒に住まわせて欲しい』と頼まれたと懇切丁寧に説明したところで『それなんてエロゲ?』と聞かれてしまうのがオチだろう
「私は気にしないよ?だってよーちゃんのお嫁さんになるんだからむしろ周知の仲になれるってのは好都合よ」
「ミアはよくてもミアの両親にも変な噂がついたりするんだよ?それこそ犯罪につながるようなことが起きないとも限らない」
過去にも何件か人間の男と関係を持った亜人種の女性達に対して酷い差別や迫害が発生したこともあるらしい
ミアにはそんな思いして欲しくないし、俺自身も面倒事は極力避けたい
「そうかぁ・・・流石にパパやママにまで被害が出るのはヤダな・・・」
「幸いしてるのがこの辺に住んでるのが俺とサーペントのサチくらいしかいないのが救いだな」
「サーペントちゃんこのあたりに住んでたっけ?」
「前住んでたところの付近に新しく高層マンションが建つから立ち退きを言われてこっちに来たんだ、猛抗議してたけど結局引越し費用と新居代金を負担してもらうって条件で立ち退きを受け入れたんだってさ」
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