懐かれた相手は蛇女

4/12
前へ
/37ページ
次へ
「へぇ・・・差別ねぇ・・・そんなことして何が楽しいんだか」 親のいない俺もそこそこ差別的なものは受けた、だからこそ差別という言葉が嫌いだ。 「大体相手は亜人種だけど同じように会話もできるし人間と同じように生活できるんだろう?だったら人間も亜人種も変わらないじゃないか」 あくまで俺自身はそう思っている、願わくばどんな些細な差別も無くなると願っているのだが、世間はまだまだ受け入れるには準備が足りないのかもしれない 『次のニュースです、×日午後3時頃亜人種の少女数名を拉致し海外へ売り飛ばそうとしていた30代の男を逮捕しました。少女らは錯乱してはいますが、全員怪我はなく、近日中に祖国へ帰るそうです。逮捕された男は『金に困ったからやった』と容疑を認めており、警察では同一目的のグループが他にいないか等調べを進める方針です』 「またこの手のニュースか・・・なんでそういう事をするんだろうか・・・」 あまり詳しく聞いたことはないが、亜人種達の中には毛皮や角なんかを裏のブローカーたちに狙われてたりする子達も多いらしい、当然そんな非人道的なことを警察が許すわけもないんだが、何分数が多く中々減らないらしい 大人の亜人種ならばただの人間程度には負けはしないのだが、幼少期ならば力が弱いために狙われるんだそうだ そんなニュースを見ながらご飯を食べ終え、流しに持っていく 軽くゆすいで食器洗い機にぶち込み、作動させて身支度を整える 「財布よし、携帯よし、エコバックよし!そんじゃいくかな」 近所のスーパーと言ってもそこそこ距離はあるが、自転車はないし免許も車もないので歩きでいく 最初はひーこら言いながら通っていたが今ではだいぶ慣れてきた 「今日は何が安かったっけなぁ・・・・」 チラシを見ながら今日の献立を考えつつ家の近くの角を曲がり、商店街を歩く 商店街を抜けて少し歩けばスーパーが見えてくる 「お、今日は鳥のミンチが安い・・・卵はまだあったからそぼろ丼でも作ろうかな」 等と考えていたら少し離れた位置から声が聞こえる
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加