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これは罰なんだ……
病室にガラガラと音を立てて入ってくる音が聞こえた。
見たくない。目を合わせたくない。
今お前はどんな気持ちなんだ?
僕がこんな姿で嬉しいんだろうな。
「裕也…君……」
――え…?
僕を呼んだ声は橘恵美ではなかった。
その子は僕が依然振った女の子だったのだ。
あの、地味で男子から無視されていた飯田矢絵(イイダ ヤエ)だ。
飯田の目からは涙が零れていた。
そんな飯田の顔を見て、僕も一緒に涙を流す。
「よかった…目を覚ましてくれて…」
彼女は綺麗な涙で僕にそう言ったのだ。
その時僕は初めて人が愛おしく思えた。
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