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「おーい、席についてるか?」
ブラッドが、そう言って教室の中を見回す。
「よーし、みんないるようだな。それでは、授業の続きを始めるぞ」
あれ、そう言えば隣に席があったような気がするが、今はない。
確か、銀髪の男がいたような……
「おい!また忘れてんじゃねぇよ!しかも今度は机もないしさ!」
ガタガタと、教室のドアにぶつかりながら入ってきたのは銀髪の男。
手には、机がある様子。
それがぶつかっているようだ。
その瞬間、ナイトメアの頭は変な頭痛に見舞われた。
よく見ると、回りの人も同じように頭痛がするみたいだ。
「…なんだ?……新手の敵か…?」
ブラッドも、銀髪の男が現れたことにより、頭痛が起こってる様子。
とりあえず、ブラッドはその銀髪の男に手を向け、魔力を溜める。
「あー!ちょっと待った!名簿!出席名簿を見ればわかるだろ!?」
「……名簿…?」
その瞬間、銀髪の男が慌てて名簿を指差す。
その言葉に、ブラッドは魔力を溜めるのを中断して名簿を確認した。
「…ライト……ああー!ライトか!ようやく思い出した!」
その名前が出た瞬間、一気に頭痛が晴れていくのを感じる。
周りも、それぞれうなずいている人がちらほらいるほどだ。
「ったく、冗談じゃないぜ。また忘れられた上に攻撃までされるところだった。俺って、そんなに存在感がないか?」
そう聞くと、周りの生徒たちは口々に、
「確かに、ないなぁ」
と言った。
それを聞いて、ライトはガックリとうなだれながら机を自分の席に持っていった。
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