嫌味な姉

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 まあ待て、お前の言わんとしていることは容易に想像できる。どうせ『ご飯粒の滓が残っている、洗い直せ』的なことだろ? 「どうして俺の姉貴はこうも心が狭いんだ……」 「なに寝ぼけたこと言ってんの? んなことより、これ。ここみて、お茶碗に滓が付いてるんだけど」  姉が茶碗の内側を指差して見せてくる。ぶっちゃけ良く見えない。まあ、付いてるって言うんだから、申し分程度には付いているのだろう。  なんでこの不遜な姉は、んな小さいことで一々噛み付いて来るの? バカなの? 三度目の反抗期なの? それくらい気付いたのなら、てめぇが洗って済ませてくれればいいじゃんか。 「言いたくないけど、そんなんだからお前には彼氏できないんだよ」 「なっ!?」  体を引きつらせた姉の手から、茶碗が滑り落ちた。 「ちょ! いや、まっ!」  姉の咄嗟のサルベージは失敗して、「あちゃ~」というどこか他人事めいた姉の嘆息が聞こえる中、茶碗は無常にも地面にぶつかって割れてしまった。
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