2012年 夏。

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 レベッカ=ウォール合衆国陸軍中尉と一式翁が、瀬ノ川湖公園にて充実した時間を過ごした翌日。 次の目的地である大阪に向かう為、割と早めの時間に瀬ノ川市を発った一式翁は、時計の針が10時を回る頃には東京駅の新幹線ホームにたどり着いていた。  東京駅構内に於いて、一式翁の記憶にあるよりも明らかにその数が増えている新幹線ホーム。 かつて九州に向かう寝台特急が発着しており、一式翁も何度か降り立った事があった13番線も、新幹線ホームの拡張に飲み込まれ今はない。 需要と計画に基づき拡大を続け現在の規模となった新幹線ホームには、現在日本のあちらこちらから集まって来た新幹線電車が到着し、またそれぞれの目的地へと折り返してゆくのだ。 その姿はまるで、先輩の後を継いだ後輩がその偉業に負けじと発奮し、代々に渡って栄光のリレーを続けようと奮励努力する様に似ていた。
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