眠れぬうさぎ

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「彼氏誘えば良かったんじゃないの」

　家族連れ以外はほぼカップルと言っていい位のこの客層をぼんやりと眺めながら、私は誘われた時の心境を今、言ってみた。

「だって涼ちゃん、動物好きじゃん」

「うんまあ、一応。っていうかすげー好き」

　何かの動物ドキュメンタリーとかあると必ずと言って観る程には私は動物が好きだった。

「こういう所は、同じ動物好きと一緒にまわった方が楽しいでしょー」

「うんまあ、そう」

　うっかり諭されて頷いてから、しまった、と思ってはみる。

もっとこう、スマートに。

避けれる人も沢山いるだろうに、何で私はこう、へたくそなんだろう。