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……はぁ……。
なんか、ドッと疲れたな……。
イケメン男子に突然声をかけられて、無理矢理連れてこられて、太一くんの失恋を目の当たりにして……。
そして年上の祥介さんと悠一さんと出会って、ケイのプレーを見て、胸がドキドキして……。
短時間なのに、色々なことがあった。
「……あの人のシュート、綺麗だったな……」
茜色の空をぼんやりと眺めながら考えるのは、さっき見たケイのシュートだ。
ゆっくりとしたモーションからの、綺麗なフォーム。
放たれたボールの軌道も、距離も、何もかもが完璧に見えたシュート。
「私もあんな風にシュートしてみたいなぁ……」
と、言った時だった。
「なら、教えてやろうか?」
「教えてー…って!! け、ケイ!?」
なんでケイが、ここに……!?
「太一くんたちと、あそこに居たはずじゃ……!?」
「俺ももう帰る時間だったから。 そうしたらお前が居て、なーんかブツブツ言ってるからよ、盗み聞き」
「ぬ、盗み聞き……!?」
私、ケイに気付かずに独り言を言ってたってこと!?
さ、最悪っ……!!
「で、どうする?」
「な、何がですかっ……」
「シュート、してみたいんだろ?」
あっ……。
そういえば私、そんなこと言ったかも……。
「……そりゃあ、あんな風に綺麗なシュートはしてみたいけど、私、運動音痴だし……」
「あー、見るからにグズっぽそうだもんな」
「ちょっ、ひどいっ……」
「でもまぁ、ドリブルとかは出来なくても、シュートくらいなら出来るんじゃね?
つーことで、明日の10時にあの場所に来い」
「……へっ!?」
な、なんでそんな話に……!?
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