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バスケットのボールをバウンドさせて、楽しそうに笑う男の人たち。
「ストバスってのは、“ストリートバスケ”のことだよ。
学校の部活や体育とは違って、割りと自由に動けるバスケット。
で、あの右の奴がS。 見覚えない?」
イケメン男子の言葉を聞きながら、右側の男の人をジーッと見ると……、
「……あ」
……目が合った。
その直後。
その人は物凄い速さで私のところに来て、手をギュッと握ってきた。
「あゆちゃん!!」
「た、太一くんっ……!?」
ニコニコと笑うその人は、私……――七瀬 歩美(ナナセ アユミ)と同じ学校、同じクラスの桜庭 太一(サクラバ タイチ)くんだった。
良く言えばムードメーカー、そうじゃない言い方をするなら常に騒がしい男の子だ。
「ケイ!! お前すげーな!! どうやって連れてきたんだ!?」
「無理矢理引っ張ってきた」
「……はぁ!?」
ケイと呼ばれた人は、しれっとした顔で向こうに居る男の人たちの元へと歩いていってしまった。
……ここに残されたのは、私と太一くんの二人。
「あゆちゃん。マジで、無理矢理引っ張られてきたの……?」
「う、うん……」
「うわぁーもう何考えてるんだよあの馬鹿ッ!!
えっと……じゃあさ、ここに来てもらった理由も、聞いてない?」
「うん、S本人に聞けって言われた」
いったい、どういうことなんだろう?
そう思いながら太一くんを見つめていると、彼はにっこりと笑って私の手を握った。
「実は俺、好きなんだ」
「へっ!?」
す、好きって、太一くんが、私を……!?
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