◇チーム『KTSM』◇

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ケイ。 彼はそう言って、太一くんから離れた。 「めんどくせーから本名は言わなくていいよ。 つーか、どうせ今日以外は会わないだろ? 名前を教えるだけ無駄」 「あ……」 「で、まだ帰らないの? もう用は済んだんだろ?」 「か、帰りますよっ……!!」 数秒前の微笑みが嘘のような、悪魔のような冷たい視線。 かと思えば、人を馬鹿にしたようにフッと鼻で笑い、ボールを持っていた悠一さんと一緒にゴールのところへと行ってしまった。 な、なんなのアイツ……!! て言うか、私をここに連れてきたのはアイツじゃん!! なのに、なんで澄ました顔で「まだ帰らないの?」とか言うわけ!? イケメンのくせに、性格悪すぎ!! 「歩美ちゃん、ごめんね。 アイツ、普段からあんな感じだから……あんまり気にしないで?」 「あ、はい……」 苦笑気味に笑った祥介さんが、髪の毛をかき上げながら言葉を続けていく。 「それから悠一は、女の子と話すのが苦手なんだ。 だからつい、あんな無愛想な感じになっちゃったけど、慣れてくれば、きっと色々話せるようになるから」 「……はい。 でも私、多分もう来ませんから」 あのケイって人……アイツとはもう二度と会いたくない。 祥介さんは優しいし、悠一さんとだって、仲良くなればきっと色々な話が出来ると思う。 でもあの男……アイツだけは絶対に絶対に、絶っ対に無理!!
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