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……いやいやいや!! 無い無い!!
そんな単純に惚れたりするわけないじゃん!!
性格悪すぎのこの人が、カッコよくシュートを決めて爽やかに笑ったとしても、だからって突然好きになんてならない。
……ならない、よね……?
でも、なんか……ドキドキが止まんない……。
今までに感じたことのない、胸のときめき。
その先に居るのは、ケイ。
私、やっぱりケイのことが気になってる……?
「ほら、やっぱりあゆちゃんも惚れた」
「……っ……」
コソッと耳打ちしてきた太一くんの言葉を聞いて、顔が一気に赤くなる。
「なっ……べ、別に私はっ……!!」
「えー? 顔真っ赤にしながら否定されてもねー?」
「た、太一くんが変なこと言うからじゃん!!」
「あはは、こりゃ失敬」
そう言いながらも、太一くんはニヤニヤ笑ってる。
「も、もう帰るっ……!!」
このままここに居ると、太一くんのペースに嵌まって抜け出せなくなりそう……。
そう思ったから、その場をあとにすることにした。
「あゆちゃーん、またおいでねー」
ブンブンと手を振る太一くんに、小さく手を振り返して歩き出す。
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