Freeze UP Solid (カチン・コチン)

2/4
1644人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
序章:猫屋 みずき 品川駅  改札 ジンジンとした痛みと灼熱感が疼く指先に、息を吹き掛けた。 指先が凍るほど冷たくなっている。 私のカラダが作り出した熱気の塊が、 視界を曇らせ上空へと立ち昇り そして、消えていった。 もう、4月だというのに、 JR品川駅の東口改札口前を行きかう人々は、 厚手のコートを羽織り、吐く息も白く 冬の雑踏の中、足早に目的地へと向かって行く。 家を出る時には、もっと早く家路に辿り着くつもりだった。 夜の8時過ぎに、 品川駅にいることになるなんて、 考えてなかった。 数時間前までは、 泣き腫れた目をどうにか誤魔化そうと、 職場で四苦八苦してた私。 目の腫れは引いただろうか・・・・ なんだか気になってしまった。 目元を確認するついでに、唇に再度グロスを塗り直そうと、 改札近くの化粧室に駆け込もうとした。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!