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ハルトとは世にいう幼馴染。
家が隣同士でベランダをつたえば簡単に部屋にはいる事ができる。
お互いいつでも行き来できるように、鍵は常に開けっ放し。
今日も周りから音が消えた頃に私の布団に潜り込んできた。
「良い子ぶるなよ、ユメコだってサボりたいくせに。」
「何言ってんのよ、私達は今年受験なのよ?」
「…知ってるけど。」
「ハルトこそ、高校行けなくて泣くんじゃないの。」
「高校なんてどこいったって同じだろ。
俺は底辺校でも狙うよ。」
セミの声がジージーと煩くて、既に眠気など何処かへ飛んで行っていた。
「ハルト…私と同じ高校受ける気ない?」
「……どこ?」
「西高。」
「…別にいいけど。」
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