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「僕は死んだ」
巨人に生まれた僕は殺された
学校という箱にはおさまりきらなかったのに無理矢理押し込まれ、その姿を見て嘲笑う普通の人間共に囲まれて、呼吸困難になって死んだ
灰色の空の下、僕の家の前に、血の色に似た彼岸花が一輪、淋しげに咲いた………
そして新しい僕が生まれた
今度は普通の人間に生まれた
だけど、記憶、魂は巨人の時のままで
人間を異常な迄に恐怖する僕は懊悩し、今度は自分で自分を殺した
僕の家の前に咲いていた彼岸花が枯れた
そして新しい僕がうまれた
今度は見た目は人間、中身は機械の僕だ
訪れる人間にただ合わせるだけの機械
誰の機嫌も損ねない機械に
僕は初めて人気者になった
自分を殺した哀しい人気者になった………
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