第一章 始まりの鐘

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例えそれが、せまい塔の暮らしでも。 王の気まぐれでも……。 14年の月日は重い。 「けれど……姫さま。わたしには耐えられません。こんなこと」 そう言うと、ミシェルは苦々しげに眉根を寄せた。 彼女が何を思い悩んでいるのかは、わかっていた。 わかっていて考える。 父は、あの男は自分に何をさせようと言うのか。 そして、何故、この話を相手は受け入れたのか。 …きっと、何か裏がある。
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