第一章 始まりの鐘

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「結婚なんて必要ではありませんわ。 陛下」 女の言葉をどう取ったのか、男は一時、考える仕草をする。 諦めてくれたらとも思ったが、彼はそう甘くはない。 思ったとおりに動いてはくれないだろう。 その証拠に、男は「問題ない」と頷いてしまう。 何が問題のないものか。 目の前にある憎々しい笑みに今すぐ傷をつけてやりたくなる気持ちを押さえながら、女はきつく唇を噛んだ。
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