第一章 始まりの鐘

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もとより、女の言葉は男に対し、影響力すら持ってはいないのだから、何を言えども無駄なのだった。 女とて、そんなことくらい心経てはいる。 だが、それでも諦めることは出来ずに、何とかならないかと口を開く。 全てはあの方の幸せのためなのだ。 ここで踏ん張らなければならない。 だが、その思いも空しく、気付けば何も変わらぬまま、部屋には女だけが残されていた。
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