もう一度、踏み出す一歩

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何処の場所でも、どうしようもない奴は存在するものだ。勿論、俺が通う中学も例外ではない。ろくに学校にも来ないそいつは、久しぶりに登校して来たかと思ったら、まるで家畜を見定めるかの様な目付きで、級友達を見回す。 その態度は不愉快極まりない。そして、その不愉快さは更に加速度的に増していった。 「よし、決めた」 朝のHRが始まる前、教室の後ろのロッカーに持たれ掛かり、腕組をしていたそいつは不意にそう呟くと、歩き出す。 そして、こともあろうに僕の親友の席まで行くと、親友に向かってこう言ったのだ。 「今日からお前、俺の奴隷決定な」 これが俺の怒りを頂点に持ってきた。 お前は何様だ? 神様仏様なんかじゃない。ましてや、親友を奴隷にするなんて許さない。 「おい!」 正義の味方を気取る訳じゃないが、俺は叫んだ。 「あ?」 眼光に思わず怯むが、でも負けない、屈しない。 「お前は何様だよ! 人は奴隷なんかじゃない!」 そう言ってやったんだ。
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