4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
北村絵里は18歳になってもなお、世間一般的に言う『ワガママ』なお嬢様だった
それには理由があったのだが、周りの人間は知るよしもなかった
「……」
「絵里ちゃん、前向かないと危ないよ」
「……梨子、お茶買ってきてくんない?」
「あ、う、うん、すぐ行ってくるからちょっと待っててね」
「……」
……今日はメールが多い
マジうざいんだけど……
「絵里ちゃん、お待たせ~、これで良かったかな?」
「……私の好きなやつじゃない」
「ご、ごめんなさい、麦茶は売ってなくて……」
「ふん、いいわよ」
「ごめんね……」
「……」
梨子はいつも私にくっついてくる
ていうか昔から仲がいい
助けてもらったり
助けたり
でもなんかコイツ気に入らない
「ね、ねぇねぇ絵里ちゃん、お夕飯はお家で食べるの?もしよかったらファミレスとか」
「気分乗らないからイヤ」
「……そっか」
「……じゃ、私帰るから」
「あ、ちょっと待って、今日はメール……大丈夫?」
「なんであんたに言わないといけないの?」
「……」
「帰るから」
絵里ちゃんはここ数年、とっても機嫌が悪い日が続いている
それは色々な些細なことが積み重なったせいで、とてもとても絵里ちゃんはストレスに思ってる
……口には出来ないけどこの事態は絵里ちゃんが招いたこと
でも……私は絵里ちゃんの味方でいたい
孤独なお嬢様の絵里ちゃん
その友達でいたい
最初のコメントを投稿しよう!