罪人1【怒りの姫君】

2/3
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
北村絵里は18歳になってもなお、世間一般的に言う『ワガママ』なお嬢様だった それには理由があったのだが、周りの人間は知るよしもなかった 「……」 「絵里ちゃん、前向かないと危ないよ」 「……梨子、お茶買ってきてくんない?」 「あ、う、うん、すぐ行ってくるからちょっと待っててね」 「……」 ……今日はメールが多い マジうざいんだけど…… 「絵里ちゃん、お待たせ~、これで良かったかな?」 「……私の好きなやつじゃない」 「ご、ごめんなさい、麦茶は売ってなくて……」 「ふん、いいわよ」 「ごめんね……」 「……」 梨子はいつも私にくっついてくる ていうか昔から仲がいい 助けてもらったり 助けたり でもなんかコイツ気に入らない 「ね、ねぇねぇ絵里ちゃん、お夕飯はお家で食べるの?もしよかったらファミレスとか」 「気分乗らないからイヤ」 「……そっか」 「……じゃ、私帰るから」 「あ、ちょっと待って、今日はメール……大丈夫?」 「なんであんたに言わないといけないの?」 「……」 「帰るから」 絵里ちゃんはここ数年、とっても機嫌が悪い日が続いている それは色々な些細なことが積み重なったせいで、とてもとても絵里ちゃんはストレスに思ってる ……口には出来ないけどこの事態は絵里ちゃんが招いたこと でも……私は絵里ちゃんの味方でいたい 孤独なお嬢様の絵里ちゃん その友達でいたい
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!