彼の心理

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終業式の後、彼は仲の良い友人達と楽しそうに帰った 私は図書室で彼と話す前のようにカウンターで本を読んだ 夏休みに入ると私はすぐに課題にとりかかった 面倒な物は早くに片付けるのが一番だからだ 翌日彼からメールがきた 一緒に課題をやろうとの内容だった 私はいいよと返信してやる場所を聞いた どうやら私の家がいいとのこと 両親は共働きで7時過ぎに帰宅するのでまたいいよと返信した 一時間程で彼はきた 部屋に入れて飲み物を出す 「麦茶でよかった?」 「ありがとう、平気だよ」 余程喉が渇いていたのか一気に飲み干した 「飲み物買うの忘れてて家を出てから飲んでなかったんだ」 苦笑いした彼に馬鹿と言ってやった とりあえず課題にはまだ手をつけず、雑談をした 「そういえばさ、来週お祭りあるじゃん?一緒に行かない?」 「え?二人で?」 「うん!二人で」 ダメ?と首を傾げた彼は人気者の彼の姿だ お祭りは仲の良い友人達と行くのでは?と尋ねるとあいつらと行っても花火を楽しめないと言われた 私の頭には疑問符が浮かぶ 私の考えがわかったのか彼はまた苦笑いを浮かべた 「芸術がわからないんだよ、あいつら」 「キレイとは思うけど、表面だけなんだ」 この時の私にはよく意味がわからなかった でも、彼と共に過ごしていく内に理解した 私は彼とお祭りへ行くことにした 雑談が終わると私たちは静かに課題を始めた
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