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朝、俺はいつも通り7時30分に家を出る。
「いってきます。」
「夏陽(なつひ)いってらっしゃい。昨日も痣を作ってきたでしょ?気をつけてね。」
母さんが、リビングから顔をのぞかせて見送ってくれる。父さんは俺より早く仕事に出るので、俺達が見送った。兄さんは、今1人暮らしをしているが、休日の夕飯は帰ってきて一緒に食べる。…我ながらかなり仲のいい、珍しい家族だと思う。
「わかってる。なるべく怪我しないようにするから。」
母さんに手を振られながら、俺は家を出た。
それから約10分後、俺は学校に向かう途中、クラスメイトに会う。
「おぅ!青葉(あおば)、おはよ。一緒に行こうぜ。」
「おはよう。」
そのまま2人で課題やらなんやらについて話していると、前から見た事のあるガラの悪そうなのが10人ちょっと歩いてくる。
「青葉ァ!てめぇ無事に登校できると思うなよ!」
見たことあるのは、先日絡んできたのでちょっと払ったからだ。
「………鉄パイプに金属バットかよ。…おい、俺の後ろから出るなよ?」
「分かってるよ!頼むな、青葉!」
「俺が悪いんだから、何も言わなくていい。……来いよ。」
チンピラ共が、俺に向かって武器を振り回す。
ガキンッ!
「な………鉄板!?」
「お前らみたいのが絶えねぇからだよ。」
さらに10分後、俺らは普通に学校への道を歩いている。
「青葉ってホント強いよな!ちょっと顔は怖いけど、良いやつだし。」
「いや、さっきは巻き込んですまないな。俺の目つきが悪いばっかりに絡まれる。」
「別に気にしてないぜ!早く学校行こう、課題のさっき話した所、教えてくれ。」
「あぁ。じゃあ行くか。」
俺達は少し歩調を早めた。
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