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「んっ………………」
体がビクッと跳ねて目が覚めた。辺りは明るい。
「…………ここ、どこだ?」
と、眠気で霞む目をこすろうと手を上げようとすると、
ギチッ!
「…………」
完璧に後ろ手に縛られていた。縄を切ろうと見てみるも、なんか光っているような縄で、すごい細いのにいくら動かしても切れる素振りを見せない。
「うわ、腰も木に縛り付けられ…」
と縛り付けられている木を見上げ、言葉を失った。その木は樹齢何千年かというほど太くて高い。太さは全体が見えないので分からないが、高さは下から見上げて上が霞んで見えるくらいの高さだった。
「おいおい………こんな木、世界にあったか?」
あるなら有名になるはずだし、ギネスにも登録されるはずだ。しかし、こんなデカい木聞いた事ねぇ。
周りを見回すと、この木の周りは木を中心に小さな広場になっており、背のあまり高くない草花が動物たちのよく通るところ以外に生えている。その周りはさらに森。こちらの木々はそこまで大きくなく、だいたい5mくらいのが多かった。
「お、なんか来た………イラストのうさぎ?」
ガサガサと草花が揺れる音がしたので警戒していると、その間からぴょこんと顔を出したのは薄ピンクのうさぎ。実際にはいない色なのだが、これは本当に薄ピンクと表現するしかない。
「………かわいいな。」
そのまま観察していると、よたよたとこちらにやってきた。
「……………。」
うさぎと目が合う。………?なかなか外せない。するとうさぎは俺から視線を外し、あっという間にいなくなってしまった。
「………うん、動物好きが溺愛する気持ちもわかった気がするな。」
確かに、すごく触りたくなるようなふわふわさだった。
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