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第一話『2人は・・・うん。』
「─────ル、ハル!ハル!」
道路の真ん中、転んだハルに名前を呼びながら俺は駆け寄る。辺りは雪で真っ白。
青いはずの看板も、赤に点滅しているはずの信号機も、雪に埋もれていたんだ。
プーッというクラクションが、すぐ近くで聴こえた。
大きな化け物。
銀世界でライトを点けたただのトラックは、目をギラリと光らせて襲ってくる恐ろしい物にしか、ガキの俺には見えなかった。
ただ必死で、無我夢中でソイツから逃げようと、ハルを掴んで道路から飛び出た。
飛び出た、その先にあったのは、
崖のような下り坂だった。
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