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「なあ、帰らない?」
俺は声を大きくして雪まみれの蒼生に言った。
「はー?来たばっかだろー!?何言ってんだよー。」
蒼生はそう言ってまた走り出した。
蒼生を置いて1人で帰ることだってできた。
けどもう辺り一面雪で覆われた帰路はその時の俺にとって"知っている道で知らない道"だった。
そんな所を歩いて帰れる度胸は無く、俺は蒼生を追うしかなかった。
蒼生は足取りの悪い雪路を容易く進んでいたが、運動神経もそこそこな俺は必死で足を動かしても蒼生との距離を縮めることが出来なかった。
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