2人が本棚に入れています
本棚に追加
あんな台詞で終わったせいで意味が掴めない人もいただろうから説明しよう。
まず、そうだな。"あの事件"について、そこまでの経緯を話そうか。
時は9年前に遡る。
俺は幼馴染みといえどもそこまでの仲でも無いあおち─────蒼生と雪の中を走り回っていた。
その年は、本当にすごい豪雪だった。道路と歩道を区切る白線は勿論雪に埋もれて見えず。派手な外装の建物でさえ、雪にまみれて真っ白で初めて周りに溶け込まされていた。
まるで知らない土地のようだった。
ガキの頃の俺は、臆病で、家に帰りたいという気持ちでいっぱいだった。それでも蒼生ははしゃいで道路の真ん中かもしれない位置に倒れ込んだり、雪の小山に昇ってみたりと俺のことなんか気にも掛けずに遊んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!