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俺は夢を見ていた_____
…………あれは小さい頃の俺だろうか?
記憶がないため断定はできないが、顔がどこか似ていた。
そして、小さい俺を守るようにして動かなくなった二つの大人の体があった。その背中には大きな獣に引っかかれたような傷があった。小さな俺の前には、先程の傷の原因であろう鋭くて大きな爪が特徴的な巨大な鳥の様な魔物がいた。俺はそんな光景をぼんやりと眺めていた。
(あそこで死ぬのか?………いや、そしたら俺今ここに居ないか。)
などと思いながら小さな俺を見ていた。
魔物が大きく翼を動かした。それにより発生した風の刃が小さな俺に向かって迫る。____とそこでいきなり視界が変わった。先程まで見ていた光景が目の前に広がる。俺は突然のことに焦った。迫り来る風の刃にどうすることも出来ず、目を閉じて次に襲ってくるだろう痛みを覚悟した。
(______ッ。……………?痛くない……。何でだ?)
不思議に思い、目を開けると小さな子供が二人いた。が顔がぼやけて誰か判別することが出来ない。それに、向こうが何か言ってくるがそれもよく分からなかった。
「だぃ………じょ……。け……………なぃ____。」
(ん?よく聞こえない!何言ってんだよ!)
ここで過去の映像は消え、俺は目が覚め、ガバッと飛び起きた。
「あー。なんか夢を見てたと思うんだけどなぁ。何も覚えてねー。」
ここでカイトは時計を見た。針は、長い方が十二をさし、短い方が四をさしていた。このことから四時であることが分かった。集合まで時間があったため、変な汗を流すためにシャワーへ向かった。その後、食欲がなかったがこれからのことを考えて無理やり腹の中に入れた。
集合場所に行くとほとんどの人が集まっていた。その中にはキースとセツナの姿もあった。
「はよ。キース、セツナ。」
「おう。おはよ。」
「あっ。おはようございます。カイトさん。」
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