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ふと凪の話を聞いていてカイトは先程の走ってきた人を思い出した。瞳をさ迷わせていると彼女を発見した。
「はぁ。まじかよ………。バカか?」
カイトは彼女を見てあきれた。なんと彼女は自分より上の人の前で、腰にあるポシェットから棒つきのアメを取り出したかと思うと、袋から開けて口に含んでなめはじめた。
「…………………………。」
あきれて何も言えないとはこういう事を言うのだろうか…………。視線を外して、再び前を向こうとしたら彼女は視線に気付いたようで、ニコッとして小さく手を振ってきた。カイトは無視するのは気が引けたので、ペコッと礼をしてから前を向いた。
あれから数分がたち、凪さんが十時集合で、すぐそこのアルスタンの森で行われる事を言うと一時解散となった。
みんな凪に言われた通りチームを組んでやるようだった。もうすでに決まったところもあるようで、幾つかのグループが出来ていた。カイト達もその一つであった。
「いつものグループだな。あとは必要なものを____。」
「あのさぁ。」
ふいに後ろから声が聞こえた。それも聞いたばかりの声だった。
「何だ?」
カイトが振り向くとにっこりと笑って、「あたしも君たちのグループに入れてくれない?」と言ってきた。そこでさっきまで空気となっていた二人が入ってきた。
「あれ?君、遅刻しそうになってた子?」
「だと思いますよ。獣人で姿を隠さない人は珍しいですから。」
「隠す必要ないからね!」
「で?どうするんだ?入れるか?」
「僕は全然いいよ。」
「私も大丈夫ですよ。」
「じゃっ、俺はカイト。よろしく。」
「私はセツナです。とりあえず、三日間頑張りましょうね。」
「僕はキース。あと一人友達がいるんだけど今度紹介するよ。」
「あたしはリズ!これからよろしく♪」
リズは今日一番いい笑顔を見せた。
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