記憶のない騎士

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「ごめん…………。」 他の二人もすっかり沈んでいた。俺は、はぁとため息をついてから笑顔で言った。 「気にすんなって!記憶がないけど、今お前らがいるじゃんか。それで俺は十分だよ。」 しばらくカイト以外の三人は無言だったが、セツナの「あっ、だいぶ人が少なくなってきましたし、私たちも行きましょう?」の一言で気持ちを切りかえて、紙を見に行った。 「あっありました!」 最初に名前を見つけたのはセツナだった。フェリと二人で喜んでいるのを俺は横目に見て、ちらりとキースを見た。 それとほぼ同時に_____ 「やった!僕のもあった………。」 キースも自分の名前を見つけほっと胸を撫で下ろしていた。 (あとは俺だけか………。) 「んー、………………………どこだ?」 俺が、もしかしてないのか…………と思っているとフェリに呼ばれた。 「カイト!あるじゃん!良かったね~。」 昇格した本人より喜んでいるフェリが早く早く♪と急かす。 「はいはい………………って、俺そっち見たハズだぞ?」 「はははっ。もしかしてカイト見逃した?」 キースに………………いや、みんなに笑われて真っ赤になりながら走った。 フェリのところに行くと、たしかに自分の名前があった。 「よ……………よかったぁ……。」 ほっとした俺を見て、三人がおめでとうと言った。するとフェリが何か思いついた様で、そうだ!と言って、こちらに目をキラキラと向けた。 「やろうよ!」 「…………………何をですか?」 「フェリ…………大切なところが抜けてるよ。」 二人に苦笑されながら言われ、フェリは、ああああ!!と今気づいたようだ。時々フェリは抜けてるなぁと三人が思った。 「えっとね、みんなが昇格したからおめでとうパーティーをしよう!」
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