記憶のない騎士

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「ククク……クク………ははっ。お前顔が真っ赤だぞ?」 カイトはひとしきり笑ったあと、にやにやしながら言った。するとフェリが真っ赤な顔をこれでもかというぐらいに赤くなった。 「~ッ。恥ずかしいから、分かってて言わないで!カイトのバーカ!!」 「あ?何でだよ。そもそもキースがあんなことを言うからだろ?」 「えっ?僕が?なんで?ただ思ったことを言っただけだよ?」 自分がどうして原因なのかと考えるキースに三人はため息が出た。 四人は四時までパーティーをしたあと、明日からの訓練のためにいろいろと準備をするために解散した。 みんなが出ていって一人になった部屋でカイトは明日の準備をしようとしてふと思った。 (いったい何を準備すればいいんだ?) 「…………………凪さんに聞いてみるか。」 凪は、カイト達が見習いのときに出会った先輩だ。 彼は正騎士に昇格していたので忙しいかと思いながらもコールしてみた。すると意外にも早く相手が出た。 『もしもし?』 「あっ俺です。カイトです。」 『カイト君?』 どうしたのかと聞かれ、明日の準備をしようとしたが何を用意すればいいか分からないので、凪さんのときは何が必要かだったかと聞いた。と、向こうからガシャンやらパリンと何かが割れる音がした。 「ちょっ。大丈夫ですか!?」 『あっあぁ。大丈夫。ちょっと僕が準騎士になりたての頃を思い出してね……。えーと………何が必要だったか、だったね。………………教えたらいけないから何も言えないけど、まっ明日になれば分かるよ。』 しばらく話して、『_____とっ。もうすぐだしきるよ。』の一言で会話が終わった。 「はい。ありがとうございました。」 きってから、何もすることがないなら体でも動かすかと思ったカイトは人気がなく、剣をふるうのにちょうどいい場所へと向かった。 と、途中で昇格したばかりの準騎士に向けて放送がなった。 『えー。今日昇格した準騎士の諸君、まずはおめでとう。で、明日のことだが午前六時広場に集合だ。そこでその日必要なことなどを言う。以上だ。』 ブツ_____とそこで放送はきれ、立ち止まっていたカイトは再び歩きだした。
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