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やがてたくさんの気が生い茂っているところに着くと、付近に入口らしきものはなく、カイトはあたりを見回すと無理やり木々の間を通っていった。数分道なき道を進んでいくと、ぽっかりと何もない場所があった。その中心に立ちふうと息をつくと自身の武器を呼び出した。
「来い。双牙。」
一瞬でカイトの両手に双剣が出る。そして力強く地を踏みしめ、まず横に右の剣で一閃、次に左の剣で下から上に一閃、ななめやさっきの逆だったり、カイトはなめらかに力強く剣を振う。
どれくらいたっただろうか………………。黙々と剣を振っていたカイトは、ふとどこからか視線を感じたような気がして剣を止めた。しかし、戻すことはせずしっかりと握り直して周囲を見た。
(………………誰もいない?誰か見ていると思ったんだけどなぁ。)
目を閉じて、気配を探ってみたがもう何も感じなかった。
ここに向かう頃はまだ明るかったが、もうだいぶ暗くなっていてあたりが木ばかりあることもありより暗く思える。
「んー。そろそろ帰っかな!」
そういうと火球で周りを明るくし、周りが木なので燃えないように注意しながら帰っていった。
カイトが帰ってから十分ほどして大きな木の間から出てきた影が一つ______
「ふう。…………ちょっと危なかったかな、まぁ……………一応気付かれなかったぽいし、オレも戻るとするか______」
最後まで言いきるかどうかのところでその影は闇にとけて消えていった______
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