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「...これが
私...?」
目の前の鏡に映る自分の姿に
息をのむ
腰まで伸ばしっぱなしの髪は
フワフワに緩く巻かれ
上品な雰囲気を醸し出し
細すぎる体をフンワリとした
ボリュームのあるドレスで
色気を演出している
控え目だけど
大人っぽいメイクで
自分でも驚きを隠せない程に
...別人が鏡に映り込んでいる
本当に大人に見える...と思う
「...そろそろ
ババァは引退かぁ?」
「鉄二...殺すよ?」
ニッコリと笑った筈の
麗奈さんの目が本気だ
「でも...瑠維ちゃんは
本気でNo.1の座を
狙えるレベルね...
負けられないわ!
...私のプライドにかけて!
これからが楽しみだわ~」
ルンルンとスキップをして
麗奈さんは奥の扉へ
入っていった
「...よし、
瑠維...店に行くぞ」
あ、鉄二が私を
名前で呼んだ
そして今度は
二コリと微笑んで
優しく手を引いた
エレベーターへ乗り込んだ私は
履きなれないヒールで
つまづき鉄二の腕に
抱きとめられてしまった
「危なっかしい奴だな」
ポンポンと抱きとめられたまま
頭を撫でられる...
ドキン
なんだろう?
この胸の高鳴りは...?
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