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コツン
コツン
「よう...
麻里奈迎えにきた」
金属バット...
鉄二は大馬鹿野郎だな
「鉄二!!
あたいはいいから
瑠維を連れて逃げろ!!」
「うるせぇな...
怪我人は黙って見てろ」
「あらぁ
鉄二...随分と軽装なのね~
そんな金属バット一本で
何ができるってゆうの~
わ・ら・え・る~
でも...やっぱりイケメンよね
惚れなおしちゃう...ウフフ」
黒いスーツを着た男達が
鉄二をとり囲む
20人はいるか...?
...
「麻里奈さん...」
背後から瑠維の声
本当どうしようもねー
馬鹿ばっかりだ
「今縄切ったんで
彼奴らが鉄二さんに
気を取られているうちに
逃げましょう」
「鉄二を助けねーと...
う...!!」
体中がボロボロで
ろくに動けねぇ...
足は折られてるし
どうする?!
「さっき警察呼んだんで
大丈夫です...今出て行ったら
逆に足手まといですよ」
瑠維...お前はやっぱり
強いな...今にも
泣きそうなツラだし
手も震えてる...でも
信じているんだな...鉄二を
だが...
「ヤバイんだよ
あのイカれ女ガソリン
撒き散らしたんだ
鉄二は匂いで勘付いただろうが」
「...とりあえず
バレたら鉄二さんの行為が
無駄になります
裏口から逃げましょう」
そう言って瑠維は
震える体であたいを
支えながら歩き出す
...クソ!!
情けねぇ...
死ぬなよ...鉄二...
...
「ここまで来れば大丈夫ですね
麻里奈さん...
鉄二さんに逢わせてくれて
ありがとうございました
私...とっても幸せです
だから...私行きます
麻里奈さんは
麻里奈さんの幸せを
見つけてください」
ニコリと微笑んだ瑠維
そしてあたいに背を向け
倉庫へ走りだした
「おい!!
待て!!瑠維ーーーー」
あたいの叫び声が
虚しく響き渡った...
~麻里奈編 終~
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