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「お前...
どうやら死にてぇみたいだな」
「はぁ?!
死ぬのはあんた達よ!!
なんで...鉄二なんで?
なんで私じゃないのよ
こんな餓鬼なんかに...
...許さないわ」
カチャリと音をたて
鉄二に向けられた銃口
「俺も
お前を許さない
瑠維を傷つけた事
あの世で後悔しろ」
そう言った鉄二は
出逢った頃から使っている
Zippoのライターに火をつけた
「...あばよ」
そう言って女の人の
足元にライターを放り投げた
パァン...
同時に鳴り響く銃声
一瞬にして燃え上がる炎
「いやあああああ!!!
熱い熱い熱い!!!」
女の人の叫び声が
倉庫内に響き渡る...
「瑠維...すまない
お前を巻き込んで」
そう言って私の隣に倒れた鉄二
鉄二...?
どうしたの?
なんで...倒れたの?
...鉄二のお腹から
血が...
私も
もう駄目だ
目の前が霞んできた
でも...
「鉄二...
大丈夫だよ
私達...これでずっと
一緒になれる...
鉄二と一緒なら
死ぬのも...怖くない」
ニコリ微笑んで
鉄二の手を握る...
「瑠維...
お前はいつも俺を
救ってくれる...んだな
なのに...俺は
お前になにもして
やれないのか」
なにもしてやれないなんて
言わないで...
私は鉄二に救われた
やっぱり鉄二は私
私は鉄二
「愛してる...
どうか...生まれ変わっても
鉄二と出逢えますように...」
残っている力を
振り絞って
鉄二に優しくキスをした
...私の意識は鉄二の
優しく微笑んだ顔を最後に
途絶えていった...
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