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「瑠維ちゃーん!!」
うわ...凄い熱気
これはかなり不味い
「瑠維ちゃーん!!」
誰も応答しない
凄く嫌な予感がする
辺りは一面火の海だ
呻き声をあげながら
転がるスーツの
イカついオッサン達...
一体何人いるんだ?
瑠維ちゃん...どこだ?!
「おい...お前...
日陰か...?」
背後から男の声
だから...
日向なのに
振り向くと瑠維ちゃんを
火から庇うように
覆いかぶさる
い...イケメン...
この人が鉄二さん?!
「ってか瑠維ちゃん!!
大丈夫なんすか?!」
「あぁ...まだ息はある
だが油断できない
瑠維を連れて逃げろ」
怪我してるのか?!
「鉄二さんも
一緒に行きましょう!!」
「...俺は後から行くから
さっさと...行け...」
鉄二さんの顔色が
真っ青だ...
1人で歩ける訳ない
瑠維ちゃんは...
この人じゃなきゃ駄目だ
悔しいけど...
やっと出逢えたってのに
こんな所で死なせる訳には...!
「鉄二さん!!
瑠維ちゃんをまた1人に
するんすか?!
...俺がそんなの許さねぇ
瑠維ちゃんは...
あんたじゃなきゃ駄目なんだよ
俺じゃ...駄目なんだよ!!」
...拳を握りしめる
「すまねぇ...な
俺は...助からねぇよ
撃たれた場所が悪いんだ
おい...日陰...
頼む...瑠維を
幸せにしてやってくれ」
カッと瞳が見開き
ブチっと俺の何かがキレた
「うるせぇ!!
てめーが幸せにしろ!!
...死ぬなんて許さねぇ!!」
鉄二さんの胸倉を掴む
すると鉄二さんは
グワシ!!
俺のこめかみを
死にかけの人間とは
思えない力で掴む
「お前...この状況で
2人も背負って
外に出れんのか?!あぁ?!
...ここの倉庫はなぁ
闇取引の銃弾火薬が
大量にある...
引火してみろ...大爆発だ
だからサッサと
瑠維を連れて逃げろ!!
...ぐッ...」
痛みから顔を歪める鉄二さんは
俺のこめかみから手を離す
...火薬
確かに鉄二さんの言うとおり
瑠維ちゃんは意識もないし
2人背負えるのか...
いや!!背負う!!
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