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ここは...?
真っ白な天井
私...どこにいるの...?
体を起こそうと力を入れた
ズキン!!
右胸が激しく痛む
私...一体?
...蘇る鉄二の優しく微笑んだ顔
なんでだろう
涙が頬を伝う
なぜか...あの微笑みが
胸を締めつける
まるで...最期の別れのように
「瑠維!!
目を覚ましたのか?!
お前...もう1週間も
目を覚まさなかったんだぞ」
麻里奈さん...?
麻里奈さんは瞳に
涙を溜めながら
私を優しく抱きしめた
「よかった...!!
本当に...」
私...助かったんだ
鉄二...鉄二は無事なの?
「麻里奈さん...
鉄二...は?」
その言葉に硬直した
麻里奈さん
...暫くの沈黙
ドクン
ドクン
嫌な汗が流れ落ちる
「鉄二は...
...
無事だ!!今別の病院に
入院してる...」
なんだ...よかった
でも...
下唇を噛みしめ
大粒の涙を浮かべながら
笑顔で話す麻里奈さん
なんで...?
...ガラ
「姉ちゃん!!
交代しにきたぞー」
日向...君?
麻里奈さんは
松葉杖をつきながら
病室から出て行ってしまった
...やっぱり麻里奈さんも
結構な怪我だったんだ
「...姉ちゃん?
って!!!
瑠維ちゃん目が覚めたのか!!」
「うん...
日向君...なんで
そんなに包帯ぐるぐる巻きなの?
大丈夫?!」
日向君の頭に巻かれた包帯
それから腕と足を骨折したのか
ギブスをしているし
細かい擦り傷が痛々しい...
「え?!あぁ...これは...
俺馬鹿だからトラックに
ひかれちゃって!!
ドジだろ?!あはは!!」
...え?
トラックって!!!?
よく無事だったな...
いや、決して無事そうでは
ないけど...
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