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陽性か...
鉄二...あなたとの
赤ちゃん
検査薬をギュウっと
握りしめる
嬉しさ
愛しさ
切なさ...
複雑な感情が入り混ざる
正直両親に愛情を
受けていないので
1人で育てていける自信なんて
全然ない
鉄二の馬鹿...
私...生きてくしか
ないじゃんか
お腹を撫でてみる
あなたが私を
救ってくれたんだね...
死んじゃ駄目だって
訴えてくれたんだね...
「てつ...じぃ...
逢いたい...よ...」
ボロボロと流れる涙は
さっきとは違って
1人じゃないって
そう思える温かい涙だった
私...この子を
絶対に幸せにする
それで...いいんだよね
鉄二...
ガラ...
「瑠維ちゃん...」
日向君は気まずそうに
目を泳がせている
日向君...
きっと日向君の怪我は
トラックにひかれた訳じゃ
ないんだろうな...
いつも優しすぎるよ...
「日向君...
ありがとう
私...大丈夫だよ
だから...何も
言わなくても
分かってるから...」
そして精一杯笑ってみた...のに
気がつけば涙は溢れ
色んな感情で押しつぶされそうだ
私なんでいっつも
こうなっちゃうのかな
でも...私...
この子の為に
生きていくって
そう決めたんだ
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