いつかあたしも

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いかにもイケてる華やかな3人組が、後ろ扉近くで楽しそうにおしゃべりしている。 彼女たちの周りだけ空気が違う。 なんていうのかな、とても眩しくて、いい香りがしそうなんだ。 あたしはそのオーラに圧倒されながらも、意を決して彼女たちの元へ小走りで向かった。 だいじょうぶ、あたしは覚醒中だ。 「こんにちはー!ねぇ、ねぇ、あたしも入れてもらっていいかなぁ!?」 あたしの声に3人組が一斉にこちらに顔をむける。 うわぁ!3人とも美人さん! とくに真ん中にいる子なんてハーフみたいに愛らしくて、場違いな行動を取ってしまったんじゃないかと、一瞬にして緊張と後悔と恥ずかしさが押し寄せてきた。 逃げ出してしまおうか……。 大股で4歩あるけば、廊下に出られる。 そりゃ友達になれたら最高に嬉しいけど、ここで拒絶されたらあたしの学園生活はゲームオーバーだ。 震える手を握りしめながら返事を待っていると手のひらに爪が食い込み、さっきまで痺れていた頭が冷静になっていくのがわかる。
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