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そういえば……。とサヤがおもむろに切り出した。
「美紀さ、さっきあの子に酷いこと言ってたじゃない? これから一緒に過ごしていく仲間だし、謝ったほうがいいと思うよ」
苦し気に目を細める姿まで可愛らしく、悲劇のヒロインのようだ。
……でもさ、仲間って何?
あたしはあんな冴えない女とは関わりたくないんだよ。
仲間はサヤみたいに、可愛くてキラキラしている子だけで充分。
サヤもわかってくれるでしょう?
「そうかなぁ? だって、アイツあたしのこと『デビュー組』だって疑ってきたんだよ? おまえと一緒にすんなって感じ!それに、ああいう地味な子って昔から話が合わないの」
「顔とかデビューとか関係ないよ!だって、ワタシ達同じような目標や夢があってここで出会ったわけだし……。デビューって言葉にも……悪意はないと思う!」
「うんうん!友達は多いほうがいいし、平和が一番だよねっ!」
ほかの二人もサヤに同意らしい。
ああ、そうか。可愛くて、誰からも愛されてきた子って純粋で、正義感まで強いんだな。
徹也明けに浴びせられる太陽の光くらい眩しくて、うぜぇ。
一度あたしみたいな孤独を味わったほうがいいよ。
そうしたら、そんな平和ボケした事言えなくなるから。
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