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「あたしはもうずっと彼氏なんていないや。片想いしてる人ならいるんだけどね」
あたしはもっと彼の話を聞いて欲しかったのに、サヤが自分の恋話をはじめた。
ってか片想いしてるなんて、よく人に言えるよね。
叶わない恋の話なんて、あたしが人に話したくない最もたるものなのに。
「サヤの執着心は異常だから!」
「でもわかるよぉ。彼以外の人と手を繋いで歩くくらいなら一人でいいや!ってなるよね」
でも、こんなに可愛い女の子が「片想いしてる」というのは、なんでこうもロマンチックに聞こえるんだろう。
キラキラしてるのに、どこか儚い少女漫画を見ているようだ。
あたしの思う片想いって、ジメジメした薄暗いイメージだし、実際、あたしの片想い期間もそんなもんだったよ。
だけど、彼氏のいる事になっているあたしが、片想い中のサヤに劣等感を感じる必要なんてないよね。
あたしは今、勝者の土台に立っているんだから。
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