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「サヤが片思いしてるなんて意外っ! きっと積極性が足りないんだよ。急に手とか握ってみれば? 男の人ってボディータッチとか好きだしさ。あ……でもあたしが彼と付き合った時は『美紀の控えめなところが良い』って言われたんだった! 」
最高の彼氏がいるあたしは、すっかりサヤの恋愛アドバイザー気分だ。
恋とはなんたるかをしっかりレクチャーしてあげる。
「ええー!いきなり手を握るなんてふつうできないよぉ。美紀は経験豊富なんだね」
「豊富……なのかなぁ。じぶんではわからないや……。
でもね、女の子は愛されて初めて輝けるんだよ? だからあたしはいつも想われていないとダメなんだ。片想いできるサヤはすごいよ!」
さりげなくサヤとは違って愛されてる幸せなあたしをアピールしたんだけど、気づいてくれたかな。
「じゃあ、例えばだけど、彼の気持ちが美紀から離れてしまったら? ……あ、もしもの話だよ!」
「別れるよっ!だって、どんなにスペックの高い男でも、あたしに惹かれてなきゃ価値なんてないもん」
……こんなこと言えちゃうあたし、スッゲーかっこいい!
って、これは最近読んだ少女漫画の受け売りなんだけどね。
「だけどね、誰かを好きになるってとても素敵なことだよ。両思いになれなくても、ワタシはあの人のおかげで輝けてると思う」
「ふふっ、サヤはもっと恋をしたほうがいいよ。あたしは片想いなんて惨めなのは耐えられない」
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