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あたしが一通り話終えたときにはもう外は薄暗くなっていて、昼間はあんなに祝賀ムードであたしを迎えてくれた桜の木が、街灯に照らされ妖気的に花びらを散らしていた。
「ああ、もうスゴいね。いろんな意味で」
「美紀ってばサイコー! もうお腹いっぱいだよぉ」
「これもある意味才能だよね、ほんとヤバいし!」
3人に誉められ、なんだか照れ臭かったあたしは「昔の話だけどね」と素っ気なく応え、荷物を手に取った。
もう話終わったし、日も暮れてきたから早く帰らなきゃいけないよね。
「あれ、みんなはまだ帰らないの? 外暗くなってきたよ?」
「ワタシ達はもうちょっとここで喋っていくから大丈夫。 気をつけて帰ってね!」
「あっ、じゃああたしももう少しいようか…」
「い、いや!ワタシ達ちょっとだけ真面目な話をしなきゃいけないから。また明日ね!」
早口で捲し立てられ、あたしは渋々お店を後にした。
3人で話すことってなんだろう……。あたしも混ざりたかったな。
でも大丈夫。今日みたいに4人でつるむことが当たり前になれば"深い話"っていうやつにも自然と入れてもらえるだろう。
それに、あたしのキャンパスライフはまだ始まったばかりなんだ。焦らず、友情ってやつを築いていこう。
恋愛で悩んだらあたしに相談してね、と伝えてあたしは家に向かった。
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