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学校に着くとすでにサヤ達は3人でおしゃべりをしている。
よかった。まだ誰も来ていなかったら、独りになるところだったよ。たった5分でも、こんな広い教室に一人っきりになるなんて耐えられない。
ずっと孤独だったからさ、もうあの時の記憶が甦るような状況に自分の身を置きたくないんだ。
あたしはバッグを置くと小走りで3人の元に向かった。
そんなあたしの姿に気づいたサヤと一瞬、視線が重なったような気がしたけど、そのまま2人を連れて教室の外へと出ていってしまった。
あたしはサヤ達の後を追うように急いで教室の外へ向かったけど、そこにはすでに3人の姿は無く、校内を探しまわるのもどうかと思ったあたしは、じぶんの席で孤独と格闘していた。
視線の先にはあたしが昨日威嚇した鼻子が、それまた同じようなレベルのジーミーズと群れを成して笑いあっている。
不細工達の下品な合唱が耳障りだ。
あたしより劣っているくせに、あたしよりも今この瞬間を謳歌していることが許せない。
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