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……結局、サヤ達が戻ってきたのは一限目が始まる直前だった。
先生が学校内や授業に関する説明をしているあいだ、あたしはモヤモヤした気持ちを抱えながら、これから起こり得るありとあらえる状況を考え、脳内でシュミレーションしていた。
もし次の休み時間も話せなかったら?
ううん。
サヤはきっとこう言ってくれるはずだ。
「ごめんね、ちょっとお手洗いに行ってたの!」って。
大丈夫。昨日あんなに楽しくおしゃべりしたもん。
休み時間がきたら真っ先にサヤのところに行こう。
一限目を終え、席を立とうとした瞬間、その弾みで机の上に置いていた筆記用具達がカシャーンと音を立てて床に散らばっていった。
ああ、なんでこんな時に……
早くしないと、サヤ達がまたいなくなっちゃうよ。
あたしのイライラと焦りが頂点に達した、その時ーー
「ねぇ!ワタシと友達になってくれない?」というサヤの元気な声が耳に入り、あたしは弾かれたように顔を上げた。
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