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あたしの視界に入ってきたのは、笑顔のサヤ達が鼻子に話しかけている光景で、あたしは床に転がっているペンやら定規やらを拾うのも忘れ、唖然とその場に立ち尽くした。
サヤみたいな美人に話しかけられたのは鼻子にとっても予想外だったんだろう。
「え、ええっ? あ、あたしなんかでいいの……?」
挙動不審な態度が、この上なく気持ち悪い。
いいわけねぇだろ、ブス!
釣り合わねぇから今すぐサヤから離れろよ。
そんなあたしの願いも虚しく
「あーっ!"あたしなんか"は禁句だよ。新しい生活がはじまって、友達をたくさんつくりたい、みんなと仲良くしたいって思うのは普通のことでしょ?
それに、ここで出会ったクラスメイトって、この先もずっと関わっていけるだろうし……。ワタシと友達になってくれませんか……?」
潤んだ瞳でそこまで熱く語られて、誰が断れるだろう。
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