23人が本棚に入れています
本棚に追加
帰宅後、学校を辞めてアパレルで働きたいと言ったあたしに、両親は大激怒した。
そりゃあ、入学から1ヵ月しか経ってないんだから当たり前だけどさ。あたしにはあたしの事情があるんだ。
これまで家庭内で「イエスマン」だったあたしは、初めて反抗し、泣き叫んで、暴れた。
粉々になったお皿やコップが床に散乱し、カレンダーは破かれ、もちろん、ちゃぶ台もひっくり返っている。
カーテンも引きちぎってやろうかと思ったけど、カーテンレールが曲がっただけで大した迫力は出なかった。
「ゥギャァァァアアーーー!死んでやる!死んでやる!みんな殺してあたしも死んでやるゥゥー!」
両親はそんなあたしの姿に、唖然とし「家に毎月お金を入れるなら働いても構わない」と渋々了承してくれた。
いや、これは了承というより、これ以上あたしに関わりたくなかっただけだろう。
真意はなんにしろ、あたしは無事第2ラウンドへのチケットを手にすることができた。それだけで十分だよ。
最初のコメントを投稿しよう!