あたしは、散らない

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帰宅後、学校を辞めてアパレルで働きたいと言ったあたしに、両親は大激怒した。 そりゃあ、入学から1ヵ月しか経ってないんだから当たり前だけどさ。あたしにはあたしの事情があるんだ。 これまで家庭内で「イエスマン」だったあたしは、初めて反抗し、泣き叫んで、暴れた。 粉々になったお皿やコップが床に散乱し、カレンダーは破かれ、もちろん、ちゃぶ台もひっくり返っている。 カーテンも引きちぎってやろうかと思ったけど、カーテンレールが曲がっただけで大した迫力は出なかった。 「ゥギャァァァアアーーー!死んでやる!死んでやる!みんな殺してあたしも死んでやるゥゥー!」 両親はそんなあたしの姿に、唖然とし「家に毎月お金を入れるなら働いても構わない」と渋々了承してくれた。 いや、これは了承というより、これ以上あたしに関わりたくなかっただけだろう。 真意はなんにしろ、あたしは無事第2ラウンドへのチケットを手にすることができた。それだけで十分だよ。
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